茶道では、最低限のマナーを知っていないと、お茶室で恥をかいてしまいます。
しかも茶道のマナーは、社会人の一般的なマナーとは少し違います。
なので、前もって知っていないと、少し戸惑ってしまうかもしれません。
そこで、茶道を始めるにあたって知っておきたい、基本的なマナーについてお話します。
茶道のマナーで1番基本的なお茶の飲み方とは
茶道のマナーで1番最初におさえておきたいのは、お茶の飲み方です。
茶道の席で出されたお茶は、ただ飲めばいいわけではありません。
そこでまず、お茶の飲み方の手順をお話していきます。
お茶を出されたら、畳に手のひら全部をついて挨拶をします。
茶碗を片手のひらの上に置き、もう片方の手で茶碗を横からしっかりと持ちます。
その状態で茶碗を少し高く掲げて、亭主に「感謝の気持ち」を示します。
茶碗を時計回りに90°・90°(合計180°)と2回、回します。
一口飲み、お茶を点てた人に対して「大変結構です」と言います。
あえて一口だけ残して、自分のペースでお茶をおいしくいただきます。
最後の一口は、「ズッ!」と大きな音を立ててすすります。
自分が口を付けた箇所を指で拭い、その指を自分が持参した懐紙で拭います。
茶碗をまた90°・90°(※回す方向は流派によって異なる)2回、回します。
茶碗を畳の上に置いた状態で手に取り、どんな茶碗かなと「拝見」します。
茶碗に対して「さようなら」の意味の「一期一会の礼」をします。
もう1度90°90°(※回す方向は流派によって違います。)と
2回、回して、畳の上に置きます。
手順が多くて、最初は少し面倒に感じるかもしれませんね。
特に、なぜ茶碗をいちいち2回も回す作業が何度もあるのかわからないですよね。
最初は、茶碗の正面部分を自分と反対側に持って行くために回すのです。
茶碗の正面部分は大事な部分なので、そこには口を付けないようにするという配慮です。
次に回すのは、正面部分を自分側に持ってくるという目的です。
2度目に回す時は、茶碗の「拝見」の時ですね。
正面を自分側に持ってきて、茶碗の「1番良い所」も含めてしっかり見る、
という意味があるのです。
最後に回すのは、茶碗を下げてもらう時です。
茶碗を回すことで、正面を相手に向けてあげる
(=1番良い所を相手に向けてあげる)といいう配慮を意味しています。
又、なぜ最後に、「ズッ!」と大きな音を立てるのでしょうか。
この音は、「お茶を飲み終わりました」という合図です。
なので、恥ずかしいかもしれませんが、亭主に聞こえる音を立ててあげてくださいね。
茶道のマナーとしてお菓子やお団子の食べ方も重要!
茶道は、お菓子を食べるのにもちょっとしたマナーがあります。
まずお菓子は、自分で持参した懐紙をお皿代わりにして食べます。
食べる時は、基本的に、自分で持参した「菓子切」を使います。
でも、忘れてしまった場合は申し出れば、楊枝を貸してもらうことができます。
お菓子を食べ終わった後の汚れた懐紙と楊枝は、自分で持ち帰ります。
亭主に汚れ物を始末させるのはマナー違反なので、気をつけてくださいね。
さて、お茶席でよく出る「練り切り」は、3~4口代くらいに切って食べましょう。
切り刻み過ぎると、せっかくのお菓子がバラバラに崩れてしまいます。
これは、手作業でお菓子を作った職人さんにも失礼です。
なので、細かく切り刻み過ぎないようにしてくださいね。
では、お団子が出た場合はどうしたら良いのでしょうか。
お団子の場合は、くしを手で持って食べてOKです。
但し、食べた後のくしは、自分で持ち帰りましょう。
菓子切を使わずに手で食べていいお菓子は他に、
大福やまんじゅう・干菓子などがあります。
次に知っておきたいのが、干菓子を食べる時のマナーです。
干菓子は、何種類かのお菓子がいくつもお皿の上に載って回ってきます。
これは基本的に、自分が食べられる分だけ、懐紙の上に手で取ります。
但し、お皿の上の干菓子は、他の人たちも食べるものです。
なので、数を計算し、他の人の分が足りなくならないように配慮しましょう。
取り過ぎてしまうと、かなり恥ずかしい思いをすることになります。
最後に、全てのお菓子に関して言えることを1つお話します。
お菓子は基本的に、お茶が来る前に食べ終わるようにしましょう。
お菓子はお茶の苦みを引き立てるための物なので、
お茶を飲む前に食べ終わるとされています。
なので、あまりのんびり食べてはいられないかもしれませんね。
まとめ
茶道では、お茶とお菓子のいただき方に、一定のルールがあります。
なので、最初は敷居の高さを感じるかもしれませんが、頑張って覚えてみてください。
1度マスターしてしまえば、後は自然体ですんなりとできるようになりますよ。
又、お茶の飲み方のマナーには、1つ1つ意味があります。
なので、その意味を考えながらやってみてください。
そうすれば、形だけのマナーではなく、「茶道の本質的な部分」に触れることができます。